赤ちゃんが好きな人が大前提
助産師は、看護師資格の上位資格として位置づけられている、妊娠・出産・乳児の育児を専門的に扱う仕事です。妊娠をした女性は定期的に検査を受けながら出産の日を待ちますが、このとき出産の立会を依頼することができる場所として産科医のいる病院や診療所のほか、助産院という場所があります。
助産院(助産所)は全国各地で開業していますが、実際には病院のような施設を設置しているところはそれほど多くありません。
はっきりとした統計は取られていないのですが、「助産所」としてはっきり掲げて営業しているところは全国で約400ヶ所ほどしかなく、そこに出張分娩支援を行っている助産師が500~700名ほどいるとされています。
かつては出産に立ち会う身近な存在として地元に密着して開業をする人が多かったのですが、少子化に伴い出産に費用をかけても医師免許のある人に担当してもらいたいと希望する家庭が増えたということもあり、助産師のみに依頼されるということはあまり多くありません。
むしろ現在における助産師の役目は出産そのものへの立会というよりも、産前産後のケアやアドバイスということにウエイトが置かれるようになってきています。
お産の専門家としての助産師に求められる適性は、何と言ってもまず「赤ちゃんが好き」ということです。
助産師の最大の任務は健康な赤ちゃんを出産できるお手伝いをしていくことなので、母子の健康に注意し、赤ちゃんの誕生を誰よりも喜ぶような気持ちが求められます。
体力がある人にも向いています
全国的に産科の廃止が問題になっていますが、実際のところ産科医の仕事は他の医師と比べてかなりハードです。というのも、出産というのは手術のスケジュールを組んでスタッフを集めることができるようなものではなく、どれだけ準備をしていても全く予想外のことが起こるというのが実情だからです。
そのため出産に立ち会う助産師は深夜に呼び出されることも多く、緊急の陣痛時に近隣の産科と連携して最もよい方法を提案していくためには相当の神経を使います。
特に個人でやっているような助産院の場合は責任が相当大きくなるので、人気のある助産院ともなると相当の体力が必要になってくるでしょう。
ですので助産師として仕事をしていくためには、自分自身の体調管理を整えるとともに、急な呼び出しにも耐えられるような体力を備えておくことが大切になってきます。
お産は安産といっても数時間がかかるのが常識です。
正常分娩であっても数十時間とかかることも当たり前ですので、そうしたときのためにも十分に体力があるということが、助産師として長く勤務をしていくために必要な条件と言えます。