保育士の現状と将来性

人材不足だけじゃない保育士をめぐる問題

保育士の現状を語るとき、何をおいても重要となるのが深刻な人材不足です。
保育士資格は一般的には高等学校を卒業してから養成課程のある専門学校や短大に進学し、保育士の国家資格に合格をすることで取得ができます。

本来保育士資格は資格者のみが排他的に行うことができる専門業務のはずなのですが、実際の就業環境はかなり劣悪な場合が多く、一般的な民間企業の会社員と比較して安い給与で勤務をすることがよくあります。

子供が好きで子供を育てていくという社会的意義の大きい仕事をやっていきたいと高い志を持って業界に入ってくる新人も多いのですが、就業環境があまりにも過酷で自分自身の生活が立ち行かず、やむなく転職や退職をしてしまうことも珍しくありません。

しかし待機児童数の増加がニュースでクローズアップされたことや、保育士の給与のあまりの低さがネットを通じて伝えられるようになったことで、わずかながら改善されてきつつあります。

仕事の内容や社会的意義を考えるとまだまだ全く足りないというのが正直な感想ですが、それでも保育士という仕事スポットがあたり、就業環境を改善していく流れが出てきたということは将来につながる希望といえます。

人材不足という問題に対して自治体などが対応策を数多く提示していますが、その中で新たな問題として生じてきているのが「悪質な保育園運営」と「男性保育士」の問題です。

ただ確保をすればよいわけでない保育の現場の難しさ

2017年3月に伝えられた大きなニュースとして「わんずまざー保育園」の問題があります。
「わんずまざー保育園」は兵庫県姫路市の私立認定こども園として運営されてきた場所ですが、国から給付金を受けていたにも関わらず、極端に給食の量を減らしていたり、勤務をする保育士と不当契約を結んでいたということが次々に明らかになりました。

この「わんずまざー保育園」の事例はよく今までやってこれたものだと思うほどひどいものですが、裏を返せばここまでひどいことをやっていてもそれなりの園児を集めることができていたというところに社会問題があります。

通常の民間企業であればここまでひどくなる前に業績が悪化したり顧客が離れたりと運営自体が立ち行かなくなるものですが、現在の保育園・保育所不足がこうした悪質な運営を許してしまったという背景があります。

もう一つ今時らしい問題として「男性保育士」があります。
男性保育士は現在育成が急がれている分野ではあるのですが、一方で「大切な我が子を男性保育士に預けたくない」と考える母親もかなり多く見られるようです。

ただでさえ保育の現場に少ない男性を確保するためには、業界だけでなく世の中全体の意識改革が必要と言えます。