保育士養成学校の課程の一つとして実施
保育実習は、保育士国家資格を取得するため保育士養成学校に通った場合に、その過程の一つとして実施されるものです。ちなみに保育士資格を取得するための方法は「養成学校に通う」と「保育士試験を受験する」の二種類があり、後者を選んだ場合には試験前に実習をする必要はありません。
しかし現場に出る前に実習生として就業をすることは就職後即戦力となる技能を備えられる大切な経験になりますので、できるだけ養成学校に通いそこで実習に参加をすることをおすすめします。
保育実習の目的は当然に保育士としての業務を実務を通して学ぶということです。
実習はアルバイトのようにその日に行ってそこで指示を受けるというものではなく、実習前にその準備としての単位を取得しなくてはいけません。
保育士養成課程における実習科目は必修科目となる「保育実習Ⅰ」に加えて「保育実習Ⅱ」もしくは「保育実習Ⅲ」のいずれかを選ぶ選択必修があります。
「保育実習Ⅰ」は実習日数20日と厚生労働省の指定基準により定められていますが、そのうち10日間を公立・社会福祉法人または宗教法人による認可保育所で(保育所実習)、もう10日間を乳児院や児童自立支援施設、障害者支援施設や児童相談所など複数の福祉施設で(施設実習)行うようになっている学校が大半です。
「保育実習Ⅱ」は保育所実習で10日、「保育実習Ⅲ」は施設実習で10日となっています。
なお施設実習の場合、おおむねの施設で宿泊を伴う実習となります。
保育実習中に行うこととは
保育実習で行われる内容は、実際にそこに勤務をしている保育士さんとほぼ同じ業務です。保育所実習では保育所内の一日の流れを実際に体験することにより、保育所保育指針を理解し、それを実現するためにどのように行動すべきかということを考えていきます。
また子供を観察しその発達過程を理解していきます。
保育士として子供を預かる場合には、ただ一緒に遊べばよいというものではなく、安全面や衛生面にも十分に配慮をしなくてはいけません。
子供たちが遊んでいる環境の中にはどのような危険があり、保育士としてどう守っていくことができるかを実習を通して学びます。
もう一つの施設実習においては、普段の生活の中ではあまり目にすることのない児童福祉施設の現場を経験するということが目的となります。
それぞれの施設の特徴や預かることになっている子供の背景、子供の発達や必要な支援といったものを事前の課程で学んだ知識を生かしながら考えていきます。
実習が終わったあとには「保育実践演習」として、施設で問題が起こった場合の対応方法について話し合う単位も行われますので、それが課程の集大成となります。