柔軟な保育をしていくことが求められるチャイルドマインダー
「チャイルドマインダー」は、もともとは英国で発祥した少人数保育を行うための方法です。日本においては大勢を預けることができる保育所や、教育を行うための幼稚園が一般的に使用をされてきましたが、それらは集団行動を教えるのには適している一方で、細かい部分への配慮が難しいという問題点がありました。
特に現在では保育施設そのものが不足しているということもあり、より柔軟な保育方法を求める社会的ニーズが高まっています。
チャイルドマインダーは日本では新しい仕事ですが、英国においては70年以上も歴史のある確立した保育方法です。
もともとは産業革命時に工場で勤務をする親たちのために子供を預かる目的で始められたものでしたが、ただ子供を預かるのではなく、少人数だからこそできる子供のための教育や指導をしていくことができるというメリットがあります。
親に代わって愛情を子供に伝えていくとともに、プロとして子供に必要なケアをしていくということがチャイルドマインダーとしての社会的意義です。
これから保育や福祉の仕事を目指そうとしている人にとっては、チャイルドマインダーとして勤務をするということも新しい仕事の形となります。
ぜひ社会的意義や保育士・幼稚園教諭とは異なる意識を持ち、保育の仕事にあたっていってもらいたいところです。
少人数保育ではきめ細かい配慮が大切
チャイルドマインダーの実際の仕事においては、預かることができる人数は1人あたり4人までと限定されています。これは法律により、4人以上の子供を仕事として保育する場合には保育士の資格が必要になる、というように定められているからです。
4人というとかなり少ない人数ですので、保育士のように数十人にすべてに目を配らなければならないということはありません。
そのかわり、全ての子供に目が届くということから、よりきめ細かい配慮をしていくことが求められてきます。
子供と一緒に遊んだり勉強をしたりするときにはほぼ付ききりになりますし、子供の方も頼れる大人が1人のみということになるので、かなり深く関わりを持って行くことになるでしょう。
チャイルドマインダーの場合、逆にその距離の近さが仕事の難しさにもなってきます。
子供のことを大切にする一方で、あまり子供に気を使いすぎて機嫌を損ねないようにするということもまた間違った行動になってしまうのです。
距離感が近いからこそ、子供との関わりではきちんと線引をして、ダメなことはダメとはっきりと指導をしていくという厳しさも、チャイルドマインダーとしての適性につながってきます。
長時間預けたいという親も多いことから、仕事とプライベートの分け方が難しいのもまたこの仕事です。