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工作をする子ども

保育業界

現場をとりまく様々な問題要因

保育の現場に大きな問題が存在している、というのはトップページにおいても説明した通りです。
では、実際問題どのようなことがこの保育業界に発生しており、今後どのように対応していくことが考えられるのでしょうか?
まずは第一のポイントとして「労働力不足」について考えていきます。

平成二十六年度に内閣府から発表された年次経済財政報告によると、労働力の減少というのは今後大きな課題である、とされています。
この課題に対応するために必要であるのがまさに「女性の就業率の向上」であり、より女性が自然に働くことが出来る環境を整えることだとしています。
そしてそのためには、女性にとって「私生活」と「仕事」を両立することが出来る環境を整備することが何よりも重要な課題であると言って良いでしょう。

少子化の背景には、これが出来ていないために、「仕事」を選んだ人が「私生活」を充実させることができず、いままでのように子供を産み育てることが出来なくなってしまった、という側面があります。
もちろん、子供を産んで育てることが、すべての女性にとって必ず必要となる事項である、というわけではありません。
それでも、「そうしたい」と思っているにも関わらず、そう出来ない人が多く存在している、というのは大いなる問題です。

特に女性の就労において問題が大きいとされているのが「M字カーブ」の問題です。
これは、一度就職した女性が結婚や出産の際に職場を離れ、その後再就職する、という家庭において、30歳から40歳にかけての女性労働力が極端に減少してしまう、というものです。
この減少は今よりもむしろかつての、女性が結婚・出産と同時に退職するのがある意味既定路線であった時代の方が傾向としては厳しいものでした。
しかし、女性の就労率自体が高まっている中で、パーセンテージではなく、絶対数としての問題が発生してきていることもまた事実です。

こういった女性就労環境の問題の影響を受けやすいのが、一般的に女性の職場と言われている職種です。
現在は男女雇用機会均等法によって、性別によってなることが出来る職業には障壁がない、とされていますが、それでも女性が多い職場というのはまだまだ多く存在しています。
「看護」「介護」、そして「保育」がこの影響をダイレクトに受けているといって良いでしょう。
保育の現場というのは、「女性就労による問題」を両局面から受けるという、非常に苦しい環境にあると言って良いでしょう。

そして同時に発生している問題であるのが、待機児童問題です。
これについてもトップページで簡単に紹介しましたが、少子化が進んでいるにも関わらず、保育サービスを受けることが出来ない子供というのが存在しています。
行政としても対応を進めており、少しずつ減少しているものの、まだまだ対応が十分であるとはいえず、数万人単位で待機児童が発生してしまっています。

これらのことを踏まえて、保育業界がどのような現状にあり、そして今後にどのように変化していくのかを考えてみましょう。
まず第一に、保育の現場というのはこれまで福祉の一部であると考えられている向きがありました。
そのため、認可施設であることが重要視され、これが待機児童を増やす原因となっていたということです。
この状況の解消に向けて、認可保育所として株式会社が参入することを認めるなどの対策が行なわれ、ビジネスとしての保育がある程度活発に行われるようになってきました。

ただ、認められたとはいえ、実際この株式会社が運営している保育施設というのはまだまだ少ない状況にあります。
認可保育所の数全体の1.6%にしかすぎない状況で、実際に参入している株式会社も数社にとどまります。
新規参入に際して障壁が存在している、というのが実状でしょう。
このように、状況が膠着してしまっていることも業界の閉塞感を強める原因の1つとなっています。

実際、多くの業者が参入するようになれば、競争が盛んに行われるようになり、より業界全体が盛り上がっていくことに繋がります。
法人任せにしているのでは今後が厳しい状況にあることは間違いなく、今後行政による対応が求められる部分です。

そして今後の保育業界の見通しというのはどうでしょうか。
平成27年には、子供・子育て支援新制度というものが開始される見通しです。
これによって、今まで閉塞感の強かった保育業界に風穴が開くのではないか、と期待する声が聞かれます。
さらに、株式会社参入の障壁も低くなることが想定されており、より多くの会社が保育を行うようになっていくことでしょう。

保育を知ろう

では、この先のページにおいてどのようなことを紹介するのか?ということのさわりを紹介します。
まず1つ目に紹介するのが「保育事業について」です。
実際に保育を事業として行う場合どのような業態となるのか、ということや、実際行っている会社がどのようなものなのか、ということについて紹介します。

2つ目に紹介するのは「少子化問題について」です。
これまでも積極的に触れてきた問題ですが、まさにこれこそが保育の環境を大きく歪ませている原因だと言って間違いないでしょう。
なぜ日本がこれほどまでに少子化の苦境に喘ぐことになっているのか、世界の少子化とはどのような違いがあるのか、ということも含め、より具体的な少子化問題を紹介します。

そして最後に「保育所と保育園の違い」についてです。
業界の方以外で、このことをしっかり説明できる人はあまり多くはないのではないでしょうか。
どのような違いがあるのか、簡単に紹介します。