保育士の双肩にかかる社会的責任の重さ
保育士という仕事は決して待遇面に恵まれた仕事ではありません。特に若いうちは力仕事が多く、長時間残業をすることもよくあるのに給与面は決して高くないという、業務に対してのモチベーションを保つのが難しい環境に置かれます。
しかし未来を担う子供たちを健やかに育てるという非常に社会的意義の高い仕事をしていくことになる保育士は、決していい加減な気持ちで続けてよいものではありません。
保育士として勤務をする最大の苦労といえるのが子供を預かるという責任の重さです。
園内で遊ぶ子供たちの怪我や病気を防ぎ、衛生な環境を保つというのは常に緊張感を持っていなければできないことです。
残業が多く、休暇も思うようにとれないという環境の中で高い責任を持たせられるということは心理的なプレッシャーにもなることなので、そのあたりのジレンマをどう解消していくかが保育士として長く勤務できるかのポイントになってきます。
若手保育士が直面する理想と現実
これから新たに保育士としてデビューをしていこうという人の多くは、高い志を持っている純粋な心の持ち主です。しかし実際の保育の現場においては、決して理想どおりに仕事が運ぶわけではなく、厳しい現実に直面をしそこで大きな悩みを抱えることもよくあります。
待遇面もそうですが、それよりももっと若い保育士さんにとって悩みとなるのが上司や同僚との人間関係です。
保育施設というのは非常に経営者の方針がダイレクトに出る場所であるため、保育方針や経営のやり方について完全に一致している所長と巡り会えることは滅多にありません。
利益優先で保育園を運営する経営者もいれば、特定の思想を教えることこそが教育とばかりに保育士にも徹底させる場所もあります。
そうしたときに、あまり社会経験のない若い保育士たちはどのように考えて仕事をしていけばよいかがわからず、一人悩みを重ねることもよくあります。
さらに子供を預かる両親からの圧力も相当なもので、クレーマーとまでは言いませんが保育士さんのやり方にいちいち文句を言ってくるタイプの人も必ず出てきます。
施設の方でそうした場合きちんと若い保育士さんを守ってあげられれば良いのですが、残念ながら他にも多忙な仕事を抱える他の先輩・同僚保育士さんから助けが入らないこともあります。
仕事に慣れて社会経験を積み、視野が広くなってくると案外そうしたことにも対応できるメンタルの強さを備えられるものなのですが、最初のうちは信頼できる上司などがそばにいてくれないと、長く続ける気力を維持することができないかもしれません。
今後は新人保育士さんをどう育てていくかが保育業界を維持するための重要項目と言えます。